宮城県女川町出身の写真家・鈴木麻弓さん
写真展「The Restoration Will」
Reminders Photography Strongholdにて開催されています
(詳細、文末にございます)
鈴木麻弓さん(旧姓佐々木さん)は、仙台にいた頃にお世話になったフォトグラファーの先輩で、上京してから驚く程偶然にも、あるお仕事の場で再会しました。
それから、彼女が通訳や東北の方々とを繋ぐサポートをされていた、世界的な写真家アレハンドロ・チャスキエルベルグの写真展にもお邪魔させていただいたことがありました。
写真展「The Restoration Will」
(日本語に訳すと、Restoration=復元 Will=意志)
2011年3月11日東日本大震災で壊滅的な被害を受けた女川町で麻弓さんは生まれ育ち、そして祖父、父の代と受け継がれてきた佐々木写真館がありました。
現在も行方不明のご両親、そして海岸付近の他の建物同様に写真館も流されました。
しかし、まるで存在を証明するかのように、ブロックに囲まれた暗室だけがそこには残っていたそうです。
暗室の中には、あれだけの破壊力を持った津波の中で、割れることなく壁に取り付けられたままの裸電球が残っていたり、お父様の作品のポートレイトのファイルやお父様が使っていたレンズが見つかったり、、
震災後、彼女が経てきた想い、行動、表現が、何かに導かれるように繋がり、今回の写真集出版、写真展開催と必然的に形になったように思えてなりません。
想像を絶する状況を経てきたはずですが、麻弓さんの言葉を借りるならば「当事者」として一つ一つに向き合い、まさに「意志」を持って辿り着いた、一人の写真家としての圧倒的な表現がそこには在りました。
たまたまお邪魔した際に数名の来場者の方を交えて、麻弓さん自ら作品が生まれる背景や、伏線となるストーリーなどをたくさん語ってくださいました。話は、約400年前にヨーロッパへ派遣されたサンファンバウティスタ号の使命や、現在復元船として石巻に残る巨大な船にまでストーリーは続きます。
その話自体もまた、彼女の「Will=意志」を強く感じられるものでした。
元々、明るくてしっかりと話す方でしたので、これだけの大きすぎるテーマながら屈託のない言葉で、時に笑いを交えて話してくれました。
物質としての写真の復元だけではない、その土地の歴史、そこに生きた人々の証と意志。
現在進行形で生きる彼女の意志。
ご都合が合う方は、是非ギャラリートークへご参加される事を強くお勧め致します。
鈴木麻弓写真展「The Restoration Will」
3月4日〜3月26日まで(13:00~19:00)
Reminders Photography Strongholdにて開催中
(東京都墨田区東向島2-38-5)
入場料無料
https://www.facebook.com/events/223386484789013/permalink/248962558898072/
<ギャラリートーク>
3/18〜3/20の三連休、鈴木麻弓さんによるギャラリートークが開催されます
それぞれ14:00〜、17:00〜の2回。
(参加無料、お申込不要)
Reminders Photography Stronghold
http://reminders-project.org/rps/ja/